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About MOU

ー尾道白樺美術館(尾道大学)開館の経緯ー

 この場所は、国宝をも有する名刹浄土寺の真南に位置しています。

ここに平成2年(1990年)、高層マンション建設計画が浮上しました。このことを知った市民の中から、[浄土寺から尾道市街を眺望する美しい景観を損なう]として建設に反対する署名活動が起こりました。その活動の中で結成された「尾道の歴史的景観を守る会」(会長・丸善製薬株式会社代表者 日暮兵士郎氏)が、およそ1万名にも及ぶ署名を集め、さらにその熱意と努力のもとに賛同者から3億5千万円の寄付金を募り、平成2年(1990年)10月、この土地を買い取ることに成功しました。

 そして、会の活動を知った尾道市出身で画廊経営者の吉井長三氏から出資と作品の提供を受け、この地に清春尾道白樺美術館尾道分館として、平成11年(1999年)4月、尾道白樺美術館が設立されました。

 当時の尾道白樺美術館は、建物は画家の梅原龍三郎の居宅を再現し、館内は梅原龍三郎記念室となる第一展示室、白樺派作家の絵画・彫刻・書・原稿など120点が常設される第二、第三展示室からなり、各種企画展が開催されました。初代館長に画家の岸田夏子氏(岸田劉生画伯の孫)が就任しました。8年間に7万5千余名もの多くの入館者を得、尾道市における芸術文化の振興に尽くしました。

 

 一方で「尾道の歴史的景観を守る会」は、一定の役割を終え、平成14年(2002年)4月に解散し、土地を尾道市へ寄贈しました。

 その後、尾道白樺美術館は、平成14年(2002年)11月丸善製薬株式会社が買い取りの上、美術館の運営を引き継ぎました。そして土地に続き、建物も平成17年(2005年)3月尾道市に寄贈されました。

 浄土寺真南の高層マンションの建設計画に端を発した歴史的景観を守る市民運動は、尾道白樺美術館という文化施設の誕生にまで発展し、尾道市でも、市民の景観保全の意識高揚を背景に平成18年(2006年)には、尾道市景観条例を制定しました。

 尾道白樺美術館は、設立初期の目的を果たしたとして、平成19年(2007年)1月多くの方に惜しまれつつ閉館しました。

 尾道市は、この美術館の設立運営に関わった多くの方々の思いを受け継ぐべく、ここを尾道大学の附属美術館として、尾道白樺美術館という名称を引き継ぎ、平成19年(2007年)に改めて開館いたしました。平成24年(2012年)尾道大学が公立大学法人化した機会に、「MOU尾道市立大学美術館」に改名しました。

 

【清春白樺美術館】

 山梨県清春芸術村で、画家の梅原龍三郎や作家の武者小路実篤といった白樺派の同人たちの作品を集めた吉井長三氏が運営する美術館。

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